OnoFumihiko
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一瞬びっくりする目の錯覚画像:ハムスター速報
cybergata:

Про рыжего кота Автор Mikhail Golubev

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ispeaktetris:

we’re going to school lmao bye

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yuria1224:

Ditty, our ship cat, looking magnificent and nautical.

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shoji:

暇人\(^o^)/速報 : お気に入りのgifを持ち寄るスレ - ライブドアブログ

poochin:

No5.html

●『ルパン三世・カリオストロの城』をコマ送りで見る

日本アニメの技術力を見る絶好の教材といえば、なんと言ってもメジャーになる前で貧乏な頃の宮崎アニメだ。
ここでのテキストは劇場アニメ『ルパン3世・カリオストロの城』のオープニング。
注意しながら見てみよう。

(中略: 以下”中略”略)

 

●二枚の絵で30秒を保たせる画面構成力

オープニング・タイトルの直後、運河の土手にルパンと次元の車が止まっている。

このシーンは、ほとんど車の絵と船の絵一枚づつで30秒近くを持たせている。
ただの手抜きカットにならないのは、圧倒的な画面構成力(レイアウト)のうまさだ。

まず、通り過ぎる船が変化に富んだ複雑な形をしている。
その複雑なデザインが集中する甲板上部だけ見えている。
だから、ゆっくり後ろを動いているだけでも見る方を飽きさせない。
普通のアニメではついつい船全部を描いてしまい、画面が単調になってしまいがちなシーンだが、さすが宮崎・大塚コンビ。

しかしさすがに、この2枚の絵だけで30秒持たすのは無理、と考えて手前の土手を3人の人物が通り過ぎる。
最初は自転車に乗った人。
次にゆっくり歩いている人。
その次は犬と子供が楽しそうに駆け抜ける。
この人間の動く早さと、船の動く早さの差で画面にスケールが感じられる。

 

次のシーンはまたも横向きのアングル。
画面中央を堤防が一直線に伸びて、その上をルパンらの車が走っている。
画面の前も後ろも夕焼けに染まる海だ。

このカットも車はたった1枚の絵だ。
しかし「堤防と手前の海のセル画」を横向きに引っ張っているので、車は動いて見える。
向こうの海の模様が3枚くらいの置き換えでチラチラと照り返して光る。
こりゃタダの「セル置き換え」だ。
これで10秒以上持たせてしまうのだ。
スゲえぜ、宮さん!。
ぼくたちオタクは賛美の声を惜しまない。

 

次のシーンは雨の中、大きく右手に曲がる道をルパンらの車が走り去る場面だ。
ここは手抜きしていない。
曲がった道を自動車が遠近感で小さくなりながら走る、という大変技術的に難しいアニメーションに挑戦して、見事成功している。
ほんと、うまいんだよなぁ。
僕も『オネアミスの翼』で似たカットを作ってみたが、なかなか同じ効果は出せなかった。
匠の技、恐るべし。

 

●真夏の日差しまで感じさせる望遠圧縮効果

次は坂道を真正面からレイアウトしているシーン。

それを思いきり遠くから望遠レンズで撮影したかのような効果で作画している
遠くのものを望遠レンズで撮影すると、遠近感が失われてちょっと面白い効果が出る。
これは「望遠圧縮」と呼ばれて、黒沢明なんかが大好きな効果だ。

手前をトラックが走ってくる。
タイヤが回っていて、車体がゆっくり下へスライドして画面からアウトする。
これで坂道を手前に降りていることがわかる。
右側にはルパンの車の頭が坂の向こうからだんだん見えてきて、スライドでどんどん上へあがり、全体が見える。
タイヤが回っている。
と言ってもさっきのトラックと同じくタイヤの部分だけセルを置き換えてるだけだ。

ルパンの車は、次にゆっくり下がる。
今度は車全体が見えたままだ。
これで道の向こうから手前へ坂を上って、降りてきたことがわかる。
「望遠圧縮」だから、車の大きさは変わらない。
ゆっくり上へスライドさせ、次に下へスライドさせているだけなのだ。
しかし手抜きには見えない。
逆にこの「望遠圧縮」効果が、真夏の日差しを感じさせる場面になっている。

 

●雲が真上に流れるダイナミズム

次は、横向きに走る車を地面スレスレからのアオリで捉えた場面。

自動車全部はフレームに入れきれず、左側のボディだけが見えている。
窓ガラスに光が反射して中は見えない。
こういうゴマカシは本当に名人芸だ。
車は左向きにぴったり止まってるが、タイヤだけは回っている。
これで車が左へ走ってるように見えるが、タイヤの回転は2~3枚のタイヤの絵の置き換えだ。

画面左上には、大きく空がレイアウトされている。
このシーン、走り続ける車の孤独感と、何とも言えない壮快感が表現されている。
しかし、相変わらず14秒もあるシーンなのに作画枚数は驚くほど少ない。

まず、前輪だけ見えている車のタイヤが、3枚で動く。
同時に道にそって並んで立っている街灯がリピート(同じセルの繰り返し)で動く。
これだけで、車が走っているように見える。
画面奥の反対車線を大型トラックが3台、すれ違う。
1台目と3台目は全く同じトラック、つまり「セルの兼用」だ。

しかし、このシーンのもっとも注目すべき技法は背景を流れる「雲の方向」だ。
左手上に大きく見えている空の雲がゆっくり流れている。
普通なら、車が左下へ進んでいるから単純に右上へ雲を引いてしまう。
しかし天才宮崎・大塚コンビはそんな安易な構図は取らない。
ここでは思い切って雲を真上に引っ張っている。
この微妙な「引っ張り角度の裏切り」が不思議な効果を出して、画面に果てしない空のスケールを与えている。

本来なら、次々と大型トラックが前から来る緊張したシーンが、この空の開放感でぐっとリラックスした感じになっているのだ。
おまけに雲を右上という斜め方向に引っ張るより、真上に引っ張った方が撮影さんに払う料金も安上がりだ。

 

次は踏切で列車の通行待ちのシーン。
ルパンたちの車は画面左で向こうを向いて止まっている。
その向こうを果てしなく長い長い列車が通り過ぎる。
さらに画面手前には構図が単調にならないように野の花があしらわれている。
ルパンが車の上へ腰掛け、次元は車の側で立小便をしている。
この手持ちぶさたな演技で列車の長さを演出している。
アメリカやヨーロッパではよくあるが、列車が長すぎて何十分も踏切が閉まり続けているのだ。

カメラ位置が低いので列車の車輪の間からむこうの町並みが見える。
動いているのは列車だけ。
それでも見えかくれする町並みを見ていると、決して退屈しない。
つまり引っ張りのセル一枚(列車)と止めのセル二枚(車とルパンたち、野の花)の三枚だけで6秒ものシーンを持たせている。

 

オープニングでラストに近いカット。 満天の星空。
ゆっくり下へカメラがパンする。
ルパンが車の上に座って星を見ている。
これは縦長の星空の背景をスライドさせて撮るだけでいい。
次元は、ピクリとも動かない。
ルパンがタバコに火をつける。
一瞬丸く、オレンジ色にタバコの火が光り、すぐ消える。
これが上半身だけの演技なのだ。 不自然にならないように下半身との境目は巧妙に寝袋で隠されている。

 

この原稿を書くために僕はまた、何十回目になるか、このオープニングを見た。一人のオタクとしての感想は「凄い・・」だけど、アニメプロデューサーとしての感想は「この狸オヤジどもにはかなわねぇよなぁ・・」だ。
どのカットも、ほとんど絵の枚数を使っていないのに全然退屈させない。
それどころか、旅の孤独感や人に頼らないルパン達のダンディズムが伝わってくる。

どのカットでも、彼らは常に二人だけだ。
周りに人がいても、常にすれ違うだけ。
それがよけいに彼らの孤独感や、異国の地へ来たという感じを盛り上げている。

動かない中に、多くの意味を込める日本のアニメならではの手法。
ぼくたちオタクは、それをビデオデッキの中で発見した。